マミコのひとりごと。

面白かった本をご紹介致します

中山七里 御子柴弁護士シリーズ

 御子柴弁護士シリーズは、贖罪の奏鳴曲(ソナタ) 追憶の夜想曲ノクターン

恩讐の鎮魂曲(レクイエム) 悪徳の輪舞曲(ロンド)の4冊があり、フジテレビの大人の土ドラで、悪魔の弁護人として放送されました。

 御子柴礼司は、被告に多額の報酬を要求する悪徳弁護士であり、報酬のためには手段を択ばず、反社会的勢力の弁護も引き受けます。

 彼は14歳の時、幼女を殺害して体の部位を幼稚園の玄関や賽銭箱の上に放置する、という猟奇事件を起こし、“死体配達人”の悪名で恐れられたという過去を持っています。医療少年院で恩師となる教官に出会った御子柴は、初めて罪を自覚し、本名の園部信一郎から改名し、司法試験に合格して弁護士になったのです。

 依頼人を救うためなら時には、違法行為もじさず、劣勢でも無罪や執行猶予を勝ち取るほどの辣腕であり、かと言って依頼人に媚びることも優しい言葉をかけることもない非常にクールなダークヒーローです。

 しかし、御子柴シリーズは、彼自身の贖罪の物語でもあり、殺人事件の被告人の弁護で出会う被害者遺族や関係者が口にする言葉は、彼の胸に突き刺さります。

 原作では、彼が反省の言葉を直接口に出すことはありませんが、いろいろな行動から彼の贖罪の気持ちが窺い知れます。

 またドラマでは、彼の反省と苦しみが描かれているシーンがあり、そんな時は切ない気持ちにさせられます。一度罪を犯した人間は、生涯その罪から逃れることはできないのか?被害者の感情と加害者の気持ち、加害者の家族の深い苦しみなど 考えさせらるテーマも多く、大変面白いシリーズでした。

 中山七里の作品には、 さよならドビュッシー おやすみラフマニノフ もういちどベートーヴェン などがあり、音楽の名前がよく使われてています。

 きっと御本人が音楽好きなのでしょう。