マミコのひとりごと。

面白かった本をご紹介致します

貫井徳郎 悪党たちは千里を走る

 「真面目に生きても無駄だ」 としょぼい騙しを繰り返す詐欺師コンビの高杉と園部。

 仕事先で知り合った同じく詐欺師の菜摘子と手を組み、豪邸の飼い犬を誘拐しようと企てる。

 誰も傷つけず安全に大金を手に入れようとするのであったが、その邸の家庭事情を探っているうちに、息子の巧から 自分を誘拐してくれ と相談を持ち掛けられる。

 子供とは思えないほど頭のいい巧の、思いもよらない綿密な計画に乗った3人であったが、巧は彼等の計画を知った別のグループによって、本当に誘拐されてしまう。

 今までの不運な人生から、悪の道に入ってしまった高杉と菜摘子。

 でも根は善人なので、巧を放っておくわけにはいかない。なんとか巧を無事取り戻そうと奮闘するのであったが……。

 詐欺師3人と巧の掛け合いが面白く、ハラハラさせられながらも笑ってしまいます。

 貫井徳郎のコメディは、今のところこれ一冊きりだそうですが、「こんな作品も書くのだなあ」と思いました。

 私はどちらかと言えば、シリアスな作品の方が好きですが、気が滅入った時などの気分転換に読むにはいいかも知れませんね。