マミコのひとりごと。

面白かった本をご紹介致します

貫井徳郎 追憶のかけら

 松嶋真司 34歳は、大学で近代文学を教える講師をしている。

 ある日、酔って友人に誘われるまま風俗に行ったことを妻の咲都子に知られてしまい、怒った咲都子は、三歳の娘 里菜を連れて実家に帰ってしまう。

 咲都子の父は、松嶋が勤める明城学園の有力者 麻生教授である。

 仲直りをしたい松嶋は、ほとぼりが冷めた頃に迎えに行くつもりであったが、そんな中、咲都子は暴走車にひかれて亡くなってしまったのだ。

 咲都子の両親は、松嶋が娘 里菜に会うために自宅を訪れることに、あまりいい顔をしない。この状況を打破し、なんとか里菜を引き取って一緒に暮らすには、何か大きな業績を残すしかない と松嶋は考えていた。

 そんな松嶋のところに、ある作家の手記が持ち込まれる。昭和21年から22年にかけて活躍した小説家 佐脇依彦の原稿である。佐脇は、首を吊って亡くなったが、手記にはその真相が書かれていて……。

 松島は、佐脇の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には、得体の知れない悪が横たわっていた。

 物語は二転三転して、一体誰の言うことが本当なのか?誰を信じていいのか?と松嶋と一緒に行き詰ってしまいます。

 それに、人はそんなにも悪意を持って、また時間とお金をかけてまで、他人を貶めるようとするだろうか?と疑問を持ってしまいました。

 まあ 謎解きとしては、騙されながら面白く読むことができました。