マミコのひとりごと。

面白かった本をご紹介致します

2022-01-01から1年間の記事一覧

主人が亡くなりました

私事ですが、主人が亡くなりました。癌でした。 主人が入院中も、気晴らしに本は読んでいたのですが、とてもブログを書く気にはなれず、ずっとほったらかしていました。 葬儀は終わりましたが、これからいろいろな諸手続きがあり、当分忙しくなりそうです。 …

垣谷美雨 夫のカノジョ

今までいろいろと垣谷さんの作品を読んできましたが、一番大笑いしてしまった作品かもしれません。 小松原菱子は、2LDK+S、58平米のマンションに、夫と中3の娘、小5の息子の4人で暮らしているおり、彼女の目下最大の目標は、手狭になったマンションの買い替…

凪良ゆう 流浪の月

家内更紗の家庭は、ちょっと普通と変わっていた。 お父さんとお母さんは、外国人の夫婦のようにごく自然にキスをするし、お母さんは、昼間から平気でお酒を飲む。お母さんは料理上手だが、気の向いた時しか作ってくれない。夕飯がアイスクリームの時だってあ…

垣谷美雨 うちの子が結婚しないので

福田千賀子 57歳。コンピューターのプログラマーとして、派遣契約で働いている。 夫は大学の同級生で、証券会社に勤めていたが、現在は通販会社に出向になり、部長職としてそれなりに給料をもらっている。後数年で定年である。 友人のモリコからの年賀状に「…

垣谷美雨 四十歳 未婚出産

旅行代理店に勤める宮村優子は、部下の水野匠と団体ツアーの下見のために、カンボジアを訪れた。 日頃のストレスからの解放感からか、異国にいることで感情が高ぶっていたのか? 自由に闊歩する牛や猿に影響され、暑さで考えがまとまらなくなり、幻想的な月…

垣谷美雨 ニュータウンは黄昏れて

バブル崩壊の直前、東京郊外に4LDKの分譲団地を購入した織部家。 20年以上近く経つ今もローンを抱え、織部頼子は節約に必死である。 頼子の夫は、技術革新から取り残されてコンピューター会社の管理職から平社員に格下げされ、収入は激減した。会社を辞めた…

垣谷美雨 女たちの避難所

東日本大震災が起こった日、九死に一生を得た椿原福子は、津波から助けた少年 昌也を連れて避難所に向かった。 乳飲み子を抱えた漆山遠乃は、舅 義兄と共に。 息子とはぐれたシングルマザーの山野渚は、避難所で息子 昌也と出会うことが出来た。 しかしそこ…

宮部みゆき きたきた捕物帖

深川元町の岡っ引き、文庫屋の千吉親分は、初春の戻り寒で小雪がちらつく昼下がり、馴染みの小唄の師匠のところで、熱燗をやりながらふぐ鍋を食って中毒って(あたって)死んだ。享年46、親分は役者のようないい男で、若い頃から女にもてたが、四十路に入っ…

染井為人 正体

埼玉で、一家3人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚、鏑木慶一 当時18歳が脱獄した。 殺されのは、当時29歳だった井尾洋輔、妻の千草27歳、二人の息子 俊輔2歳である。 ただ一人殺されなかったのは、50代の洋輔の母だけであった。 争う物音を聞いた隣…

月村了衛 欺す衆生(だますしゅじょう)

月村了衛の作品を初めて読みました。 横田商事に数ヶ月前に入社した隠岐隆は、会長の様子を見て来いと上司に命じられたばかりに、会長が刺殺される場面に遭遇してしまう。 横田商事が悪辣な詐欺商法を働いていると知りながら、30万円の固定給と10パーセント…

垣谷美雨 もう別れてもいいですか

原田澄子は58歳、給食センターでパートをしながら夫と二人暮らしをしている。 長女は東京で区役所に勤めており、一人暮らし。次女は結婚して夫、息子と共に名古屋に住んでいる。 澄子の夫は、暴力をふるうわけでもはなく、浮気やギャンブルに現を抜かしてい…

染井為人 悪い夏

26歳の佐々木守は、生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。 同僚の高野洋司が、生活保護の打ち切りをちらつかせ、ケースの女性に肉体関係を強要していると知り、真相を確かめようと、その女性 林野愛美の家を訪ねる。 愛美の娘 美空にクレヨンを買って…

中山七里 笑えシャイロック

帝都第一銀行に勤務する結城真悟は、勤続3年目の春に新宿支店の渉外部に移動になる。それまで都内の大型店舗で営業部に属し、自分では出世競争で、同期に先んじていると認識していた結城は落胆する。債権を回収する渉外部は、営業部の表道に対して裏道だから…

宇佐美まこと 熟れた月

宇佐美まこと の作品を初めて読みました。 物語は、弥生という女性が男を刺す場面から始まる。男が倒れていて、自分の手には包丁がある。どうしてこんなことになってしまったのか、その事情が短く語られるが、真相には触れていない。 場面が変わって、ファミ…

伊岡瞬 瑠璃の雫

母と弟の三人暮らしの小学6年生 杉原美緒は複雑な家庭環境で育った。 父親は自分たちを捨てて新たな家族を作り、母親は重度のアルコール依存症で、入退院を繰り返している。母の従妹で喫茶店 「ローズ」を経営する、吉岡薫の支えによって何とか生活を維持し…

瀬戸内寂聴 夏の終り

「夏の終り」は4っの連作とみられる短編と、独立した「雉子」(キギス)という短編からなる著者の私小説です。 不遇な作家 慎吾は、妻子と染色を仕事にする経済力のある愛人 知子との間を規則正しく往復する生活を8年間も続けている。 そこに知子のかつての…

望月諒子 大絵画展

正月気分も抜けて日常生活が戻って来ました。 年末年始はどうしても忙しく、本は読んではいたものの、なかなか落ち着いてブログを書く気にはなれませんでしたが、また書いていこうと思います。 ロンドンのオークションで、ゴッホ作「医師ガシェの肖像」を日…