マミコのひとりごと。

面白かった本をご紹介致します

湊かなえ カケラ

 美容クリニックに勤める医師の久乃は、ある日、故郷の同級生 八重子の娘が亡くなったことを知る。母の作るドーナッツが大好物で、性格も明るく、ダンスが得意で人気者だったという少女に何が起きたのか...........。

 全体をとおして1対1のインタビュー形式で書かれており、読んでいくうちに誰と誰がどういう関係なのかがわかってくる話です。

 話している本人は、常に自分中心なので、話し手によって、同じ内容でも全然中身が変わってくるのは興味深いです。こういう事は、現実によくありますよね。

 また、いじめも虐めた方は全く覚えていないのに、虐められた方は事細かに覚えているなんてこともよくある話です。軽い気持ちで言ったことが、ものすごく相手を傷つけてしまうこともあります。

 私自身傷つけられたこともあるし、後から傷つけていたことを知って、そんなふうに思われていたのかと驚いたこともあります。

 人と人との付き合いは、表面だけではわからないということですね。

湊かなえの作品は、本屋大賞を受賞した 告白 をはじめ 贖罪 母性 望郷 少女 Nのために 夜行観覧車 境遇 花の鎖 サファイア リバース 等いろいろと読みましたが、人間の心の奥にある 本当は誰にも見せたくない醜さや意地悪さ、そして時には、ほっとする優しさも描かれていて、面白い作品が多いです。