中島らも 今夜すべてのバーで
随分前に一度、中島らものエッセイを読んだことがあって、ハチャメチャだけど面白い文章を書く人だなあ と思ったことがあります。
先日、久しぶりに書店で彼の文庫が平台に置いてあるのを見つけ、読んでみることにしました。
この作品は、吉川英治文学新人賞を受賞しているそうで、「へえー!中島らもが?」とちょっと意外な感じがしました。
この小説には、おおまかに分けると4つの筋あります。
1 作者 中島らもに近い、語り手・小島容(いるる)の話
2 車に轢かれて死んだ友人・天童寺不二雄の話
3 小島が入院している病院の入院患者たちと医師の話
4 天童寺不二雄の妹・さやかと小島容の話
それらが混ざり合いながら、小島が語る内容はと言えば、酒とは何か、自分は何故酒を飲むのか がほとんど全てです。
小島は、ほとんどアル中で、肝硬変の一歩手前であるにもかかわらず、入院して少し体調がよくなると、また飲んでしまう。飲み始めると途中でやめられない。病気としか言えません。
私もお酒が好きで、一度に沢山飲むわけではありませんが、今日はやめておこうかな でもちょっと飲みたいな という気持ちは凄くわかるので、気をつけなければダメだなと思った次第です。
全ての酒飲みに捧ぐアル中小説。大変楽しく読みました。