柚月裕子 凶犬の眼
弧狼の血の続編 凶犬の眼 を読みました。
日本最大の暴力団、神戸の明石組のトップが暗殺され、凄絶な抗争が勃発。
首謀者は、対抗組織 心和会の国光寛朗。
一方、日岡秀一巡査は、広島県北の駐在所で、無聊を託っていた。
そんな日岡の前に、潜伏していたはずの国光が現れたことから始まるのが 凶犬の眼です。
プロローグを読んだ時、これがどんなふうにストリーに繋がっていくのか、とても
興味をもちましたが、とてもよく出来た伏線になっていると思いました。
日岡巡査も 弧狼の血 の時は、真面目な好青年のイメージでしたが、今回は、大上の薫陶を受け、一皮向けて 清濁併せ吞む大人の男へと成長していて、とても魅力的に描かれていました。
反社会的勢力と言えども、本物の任侠道を貫く男はやはり魅力があり、やくざ映画の人気が衰えないのもうなづけます。
弧狼の血 に劣らない面白い作品でした。